第1章

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本命の彼女をストーカー呼ばわりして警察に突き出そうとしたり、 そういうトンチンカンなことをして困らせるだけだから!」 「そういうこと……したんだ?」 「……」 彼の手が、もう待ちきれないとでもいうように滑り降りてくる。 腰を抱き寄せられ、彼にとらわれて…… それでもなお、私は抵抗の言葉を口にした。 「本気で好きになった相手とはしないの! そう決めてるの!」 「へえ、もしかして、俺のこと、好き?」 「好き! 大好きなの! だからかんべんして!」 「何でだよ、好きならだまって抱かれてくれよ、頼むから」 彼の手が不埒な動きで、私のスカートの上をなぞりだした。 パンツをはいていないことを確かめるかのように、 膨らんだヒップの丘の形をなぞられる。 「ふぅうん!」 「やべえ、もうがまんできねえ」 パンツという障壁がないのだ、甘く溶け出した欲蜜が内腿を伝ってゆく。 彼は私の耳に唇を寄せて 容赦のない囁き声を耳朶の奥深くにまでねじ込んできた。 「ねえ、彼女面してウチに押しかけてきたり、 ヤキモチ焼いて俺を問い詰めたりしてよ」 「ダメ……そんなことしたら、本田さん、 本命の彼女さんに嫌われちゃうよ……」 「いま、本命いないもん。本命にしたいオンナはいるけどね」 ついにヒップを縦に割る深い溝を探し当てて、 彼の指はさらに不埒さを増した。 するり、するりと執拗に、大事な物の形を確かめるように、 何度も何度もこすりあげられる。 体の奥に灯が灯り、 オンナである証の疼きが波の様に私を押し上げてゆく。 「ダメ……遅刻しちゃう……」 「じゃあ、せめて約束だけでもして。俺の本命になってくれるって……」 彼の手が脚の外側をなでている。 そう、本来ならあるはずのパンツのラインをなぞって、 愛蜜垂れ流す源を探し求めて……ゆっくりと。 「ねえ、遅刻しちゃ困るんだろ、早く約束してよ」 コンビニはすぐそこにあるはずなのに、ひどく遠く感じる。 私は困ったように眉根を寄せて見せながらも、 少しだけ脚を割り開いて、 彼の指がソコにおとずれるのを待っているのだった。
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