第6話 初恋

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幼稚園の頃は確かに嫌いだった。 でもそれはもう何年も前の過去のこと。 高校で再会して、確かに苦手意識を持った。 でも、今は……付き合う振りをやめた今は、私は……。 「私は……自分の気持ちはよく分からないけど、ここ数日……寂しかった」 「……僕も」 「付き合う振りをやめようって言ったのはそっちなのに?」 「……離れてみたほうが分かることもあるから」 「何それ。それってどういう……」 ――話している途中で、私はいつの間にか体中に温かい温もりを感じていた。 腕をぐいっと引き寄せられ、駿河に抱きしめられていた。
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