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駿河は私の姿を確認すると、静かに本を閉じた。
「君を……待ってた」
「わ、私を?何で……」
「もし、時間があるなら……今から散歩しない?」
「散歩?うん、大丈夫だよ」
どうしよう。胸の鼓動がどんどん速くなっていく。
もう付き合っていないのに、私たちは何の関係でもないのに。
どうして駿河は、私を待っていたの?
そして……散歩って、いったいどこに行くつもりなのだろう。
駿河はいつものように、特に何も話さずに歩いていく。
私は駿河の後をついていくように歩いて、彼の様子を伺う。
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