第6話 初恋

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「最終的には私がキレて、木から降りたあんたを追いかけまわすようになったよね」 「……うん」 過去のこと思い出したためか、駿河の顔色はやや青白くなっていた。 そうだ。この場所は、私だけじゃなく彼にとっても嫌な思い出のある場所なんだ。 ――でも、どうして、わざわざそんな場所に来たのだろうか。 「……幼稚園の時、どうして僕が君にちょっかいをかけていたと思う?」 誰もいない幼稚園を真っ直ぐに眺めながら、駿河は私に問いかける。 「え、えーっと、私のことが気に食わなかったからじゃない?」 「……違う、その逆だよ」 「……えっ?」
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