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でも、どうして今私の手を握ったのか、私の頭では全く理解が出来なかった。
駿河はそれを察したかのように、その答えを語り始める。
「……君は自分のことをガサツだって言うけれど、子供の時から何も変わっていないと思う。純粋で、こうやって手を握るだけで顔を真っ赤にさせているでしょ」
「そ、それは、不意に握られたからで……。って、どうして私の手を握ってんの?」
「……さっきも言ったように。僕が人生で好きになったのは、君だけって」
――僕が好きになったのは君だけ
――好きな人の手を握ることが出来ればそれでいい。
彼は確かにそう言った。
そして、今、彼の手は私の手を優しく包み込んでいる。
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