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ある日突然現れた怪獣ギャルーガ、海から現れたその怪獣から人々を守るために、やって来たのはソルレンジャーと呼ばれる正義の味方だった。
覆面で正体を隠しているけれど、その実体は町を助ける何でも屋MSSの五人だった。
いつもは電球を替えたり、草むしりをしたり、おじいちゃんおばあちゃんの買い物を手伝ったりしている彼らは、怪獣が現れるとM街のみんなに
S幸せ運ぶ
S素敵イケメン戦隊
ソルレンジャーに変身する。
本来のMSSの意味は丸・三角・四角なのだけれど……まぁ、いい。
町を壊して暴れるギャルーガ、それを食い止めようとするソルレンジャー、その戦いは激しいものだった。
「ダ、ダメだ……このままではギャルーガにやられてしまうわ」
少しガニ股なような気もするヒロインホワイトはもう瀕死の状態だ。
五人掛かりでもギャルーガ一体に太刀打ちするのは無理なのか……。
「皆の応援をパワーに変えよう」
ソルレンジャーのリーダーレッドがこの激しい戦いを見守る町の住人に手を差し伸べる。
「ガンバレー!! レッドー!!」
その時、住人の中から向日葵のような笑顔の似合う少女が大きな声援を届けてくれる。
次にはその声援よりももっと大きな声援が隣の女の子から上がる。
そしてまたもっと大きな声援が
いつしかソルレンジャーを応援するとても大きくて元気な声、それに支えにして、ソルレンジャーの皆は最後の力を振り絞って立ち上がった。
「ギャオー!! ギャオー!!」
恐ろしい雄叫びを上げるギャルーガへ全員で決めポーズを取り、最後の大技を繰り出す。
「ギャー!!」
その一撃にしゃがみこんだギャルーガをソルレンジャーの五人が囲んだ。
そして町の住人が固唾を飲んで見守る中、最後の一撃で今まで暴れていたギャルーガは本来の姿を取り戻した。
「私は一体何を……」
そこに現れたのは……すっぴんの至って普通の女子大生だった。
「あれ?」
予想していたよりも普通すぎるすっぴんに、思わず声を出してしまったイエローをブルーが小突き、ようやく激しい戦いは幕を閉じる。
「M街のみんなに、S幸せ運ぶ、S素敵イケメン戦隊、ソルレンジャー!!」
その掛け声は町の住人の声と重なりとても大きくて、それこそ街中に響き渡るくらいだった。
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