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「あのっ!」
「……」
すぐそこにいる猪野君にすっぴんが見られないように、一生懸命に髪を手で梳いて顔を隠そうとしている。
「僕! すっぴんの理沙さん、すっごい可愛いと思います!」
「は?」
「世界一可愛いです! 一目惚れしました!」
最初から最後まで声をひっくり返しながら、大きな声で勢いを付けて告白した。
本物のイノシシの告白にすっぴんで普通の女子大生の理沙も思考回路が付いていかない。
「付き合ってください!!」
俺達の目の前で猪野君はそう叫ぶと、メイクで可愛くくりくりとした瞳を瞑って、頭を下げるとその右手を素顔の猛獣肉食系の前へと差し出した。
「はぁぁ?!」
そして猛獣肉食系は素肌を真っ赤にしながら、猪野君に負けないくらいに声をひっくり返していた。
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