戦国花いちもんめ

7/80

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
『ここは何処なんでしょう?皆さんは誰なんですか?』 『武田信玄公の御館でごさいますよ。私は信玄の末娘で松と申します。この者は侍女のまりも。その者は私の幼馴染みの小平太と申す者です』 『幼馴染みとは恐れ多いこと。某は足軽組頭の小者でございまする』 困ったように頭を下げながら、ボソボソと松姫の言葉を訂正した。 『それで、いかなる用向きで参られたのじゃ?』 『いや、特に用があってのことじゃないんですが…』 どうも見た目と話す内容が一致しない。ならばもう一つ聞いてみよう。 『今は何年ですか?』 『永録四年…そうですね、未来風に言うと西暦1561年。教科書風に言えば戦国時代の真っ只中でございますよ』 えらいまたストレートに… 『でも、それなら皆さんの格好がおかしいでしょう。現代人と変わらないじゃないですか。正直に答えて下さいよ』 『これが正直な姿ですよ』 これが戦国…? もしかするとここは…パラレルワールドの世界か?
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加