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『ここは何処なんでしょう?皆さんは誰なんですか?』
『武田信玄公の御館でごさいますよ。私は信玄の末娘で松と申します。この者は侍女のまりも。その者は私の幼馴染みの小平太と申す者です』
『幼馴染みとは恐れ多いこと。某は足軽組頭の小者でございまする』
困ったように頭を下げながら、ボソボソと松姫の言葉を訂正した。
『それで、いかなる用向きで参られたのじゃ?』
『いや、特に用があってのことじゃないんですが…』
どうも見た目と話す内容が一致しない。ならばもう一つ聞いてみよう。
『今は何年ですか?』
『永録四年…そうですね、未来風に言うと西暦1561年。教科書風に言えば戦国時代の真っ只中でございますよ』
えらいまたストレートに…
『でも、それなら皆さんの格好がおかしいでしょう。現代人と変わらないじゃないですか。正直に答えて下さいよ』
『これが正直な姿ですよ』
これが戦国…?
もしかするとここは…パラレルワールドの世界か?
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