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‐ 武田信玄 ‐
春巻には疑問が生じていた。
昨夜泊めてもらった小平太の家でレトルトのカレーをご馳走になった。
なのにこの暗い廊下には蛍光灯が付いていない。蝋燭の灯りだけを頼りに歩いている。
小平太の自宅も蝋燭だけだった。
レトルトがあって蛍光灯かない。
中途半端な世界だと首を傾げながら、
松姫に連れられ小平太と共に広い館内を歩かされていた。
すると突然、
『春巻殿はどのような身分の方なのですか?』
『身分?』
そんなこと生まれて初めて聞かれた。
どう答えて良いものかと迷っていると、
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