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「あ、お母ちゃん。
2人と遊んでいたら帰りのバスなくなっちゃた。
だから今日は学校に泊まるね。
うん、見つからないようにするよ。
じゃね、おやすみなさい」
携帯を畳みポケットに仕舞うと、女の子のような顔立ちの小柄な男子生徒は、友人達が見ているパソコンの画面を覗き込む。
パソコンの画面には、日本を含む世界各国で人が人を襲い、その肉を食べているというニュースが流れていた。
「これ本当の事かな?」
「ヤラセじゃないのか?」
「いや、このニュースサイトやさっき見ていたサイトは、アメリカやイギリスの大手放送局のサイトだから信用できると思う。
もう遅い時間だから寝よう、念のために明日の朝もう一度確認しよう。
場合によっては、俺達も逃げないといけなくなるかもしれないからな」
翌朝、小柄な生徒が目を覚ますと、上半身裸になった筋骨隆々とした身体の友人が腹筋を行っており。
パソコンの前では逆に腹の肉がワイシャツとズボンの間から覗いている、脂肪の塊のような友人がパソコン画面を食い入るようにながめていた。
「昨日のニュース本当の事みたいだぞ、被害が拡大している」
友人の言葉に、お盆初日というのに台風通過後のあちらこちらに水たまりがある校庭で、運動部の生徒達が汗を流している姿を窓越しに見ながら、小柄な生徒は返事を返す。
「校庭を見る限り、そんなニュース嘘のように感じるけどな」
その時3人の耳に、校内から人間の断末魔の悲鳴が上がるのが聞こえた。
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