学校

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必死に抵抗していた級友は、出血多量と脳に酸素が行かなくなった事で意識を無くし、教師を押しのけようとしていた両腕が力なく垂れ下がり、口周りの肉を食い千切られた反動で仰向けに倒れ、床に頭を勢いよく打ちつけた音は教室内に響き渡った。 級友の口周りの肉を食い千切った教師は、その肉を咀嚼し飲み込む。 開け放たれた戸口で一部始終を見ていた女の子は、級友の頭が床に打ち付けられた音で我に返った。 彼女は彼女の運動で鍛えられた肺の中の空気を使い尽くす勢いで、悲鳴を上げる。 「キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ……………………………………………………」 その悲鳴で女の子に気が付いた教師が振り向き、立ち上がり女の子の方へ歩を進めた。 教師の顔は血の気が無く真っ青で、口周りに滴る真っ赤な血液と対比を見せている。 おぼつかない足取りで戸口の女の子の方へ近寄って来る教師の後ろで、出血多量で絶命したはずの級友が立ち上がった。 級友の顔もまた真っ青で、首の食い千切られた傷口からは真っ赤な血液では無く、透明な液状のものが滴っている。 立ち上がった級友もおぼつかない足取りで、戸口の所にいる女の子の下に歩み寄ろうと近寄って来た。 戸口の所にいた女の子は逃げ出そうとしたが、こわばった足が絡まり廊下に尻餅をつく。 近寄って来る教師と級友の顔から目を離せず。 女の子は恐怖から顔を歪め、泣きながら尻餅をついた格好のまま廊下を後ろに下がる。
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