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「い、たーい」
何が起こったのかわからず、強打してしまったおしりに手を当てようとした。
「すみません。大丈夫ですか?」
私よりもずっと大きくて、すごく指が長い綺麗な手が目の前に差し出された。
私は少し躊躇いながらもその綺麗な手を握ると、軽く握られ実にスマートに立ち上がらせてくれる。
私の手からその手が離れていくのに目を奪われていると、今度は目の前に私が持っていたはずの封筒が現れた。
そこで初めて自分の手から荷物が飛んでいたことに気付いた。
ハッとして顔を上げると、そこにはキャップとメガネとマスクをした背の高い男性が立っていた。
スラっとしていてこんな時なのに「腰はどこ?」などと思ってしまった。
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