第2章

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あの日以来、中島をよく見るようになった。 本当に援交なんだろうか。 だいたいは違う相手と一緒にいるが、何度か見かけたことのある人と歩いていることもある。 俺はそんな中島の姿を見る度に何故かイライラしていたんだ。 そんなある日、ベンチに1人で腰掛けている中島を見つけた。 1人でいるなんて珍しい。 そう思って声をかけてみた。 「今日は1人なんだな」 「・・・、またお前かよ。ほっとけよ」 相変わらず表情は能面だったけど、なんだかイライラしているようだった。 「ほっとけるかよ」 俺は毎日毎日中島のことを気にしてたんた。 だから1人でいることがおかしいのはわかる 「相手にぶちられたんだよ、腹立つ チッ、絶対もうヤらせねえ」 まじで援交してたのかよ。 「あー、イライラする」 そう言ってポケットからタバコを取り出して日をつける中島はとても綺麗だった。 こんな姿、学校のやつらからしてみれば想像もつかないだろうな。 「なんでこんなことしてんの?」 「なんでだっけ、忘れた」 「いくら?」 「・・・一万」 一万か。 って、こんなこと聞いてどうすんだよ。 めんどくさい 俺は考えることをやめた。 ポケットから財布を取り出して中身を確認する。 一万・・・、よし、ある。 「なに?結局ヤりたくなった?」 「そんなんじゃねえ 俺腹減ってんだよね、飯付き合えよ」
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