第1章

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今日もいつも通りの学校だった。 特別なにかあったわけでもない。 俺はサークルの練習後、居酒屋のバイトのため繁華街に向かった。 「あれ・・・」 中島だ。 スーツ姿の男の人と並んで歩く中島がいた。 なんだあいつ、学校と全然違うじゃないか。 学校での中島はメガネでもっさい感じなのに、いま俺の目の前にいる中島はメガネをしてなくて髪の毛も軽くセットしていていかにも今どきというような感じだった。 それに、 「・・・・・・、笑ってる。」 なんだ、笑えるんじゃないか。 授業の時見た能面のように感じた顔は、やはり考えすぎだったのか。 このとき、俺はなぜか中島の隣を歩くスーツを着た男が羨ましかった。 なぜだろう。 このときはわからなかったんだ。 この感情がなんなのか。 俺は少しイライラしていた。
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