第1章

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バスが最寄りのバス停に近づいて、速度が落ちてきたのを感じて、 読んでいた参考書から顔をあげた。 バスからはバス停近くの景色がよく見える。 B「あ。」 バス停に、見覚えのある2人組を見つけた。 私の家は、学校から結構離れているから、家の近くで同じ学校に通う生徒を見かけることはないに等しい。 B「美羽、家近かったんだ」 そして。 私のクラスの転校生であり、割と仲のよい友人の隣で普段見ないようなあどけない笑顔を浮かべているのは、 我がクラスの担任であり、 私の想い人でもある、葉山浩人。 2人が付き合っているのは知ってるし、応援してるけど、 実際に見ると、まだつらいものがある。 B「アハハ… 私もダメだなぁ」 諦めたつもりでも諦め切れていない自分に、 遠ざかる2人の背中を目で追いながら、 私は自嘲気味な笑いを漏らした。
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