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見知った男の子が息を荒らげて駅の構内に突っ込んできた。
B「電車はっ!?」
A「残念だけど」
B「くそっ」
彼は踵を返す。
A「走っていく気?」
B「そうだよっ。悪いか!」
A「間に合う訳ないじゃない」
B「それでも行くんだよっ。分からず屋には分かるまで言ってやるんだ!」
A「なんであのコの為にそこまで」
B「んなもん、アイツを世界で一番愛してるからに決まってんだろっ!」
A「最高にキモチワルイ」
B「なん‥」
A「自転車」
私は外を指差す。
A「走るよりはマシでしょう?」
B「お前」
A「いいから早く消えて」
B「恩に着る」
赤い自転車は緑の中に溶けていった。
A「‥‥‥スキ、だった」
A「ずっとずっと昔から」
けど、貴方の背中を押すのが私の役目だから。
A「絶対に後悔させてあげるんだから」
それが私の、初恋物語の結末だった。
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