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A「先輩……やっぱり、少し恥ずかしいです」
B「いやぁ、なかなかどうして。よく似合ってるよー」
A「でも、白のハイソックスはやりすぎじゃ?」
B「えー? そこは外せないでしょ!」
A「趣味入ってません?」
B「なに言ってんの、大丈夫! さ、電車来るよ! 張り切っていこう!」
参考書に仕込んである通信機との会話を切り上げ、
私はラッシュの電車に乗った。
最近、女子高生を狙った痴漢が多いからって……
今年で35になる私におとり捜査をさせるなんて、どうかしてる!
痴漢だって馬鹿じゃない。
そんな簡単に引っかかるわけな……い……
え?
うん?
おしりに当たるこれは……!
現認逮捕!
高らかに声を上げる前に、憎き犯人の顔をのぞき見る。
A「……先輩」
B「いや、つい(笑)」
(こんな組織辞めたい)
目尻のしわをかくす為の黒縁メガネが私のくやし涙をキャッチした。
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