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その得体の知れないもの達が、一斉に舞い上がった。
「キャー!」
百合香が叫んだ。
その中の一体が私に近づいた。
その縦になった目で私を見つめていた。
「お・・え・・・ちゃ・・・に・・・て・・・」
しばらくは、その生き物はじっと私を見ていた。
私は動けなかった。
そして、高く飛び上がり見えなくなった。
それに続くように、穴の中から次々と、その生き物は飛び立っていった。
我に返ると、私の後ろで、百合香が倒れていた。
首から上がなかった。
私はひどいめまいに襲われ、
いつまでも、暗闇の底に閉じ込められてしまった。
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