1.

3/15
前へ
/275ページ
次へ
 そんな兄の無茶苦茶な理論で、私はアパートに置かせてもらえることになった。  兄からきいていたこと。  関さんは人と話すのが大嫌いで、そっけないということ。  あまり関わらないでいいということ。  あまり関わるなって、一緒に住むのに難しい話だなぁ。  でも、バイト先がここが近いし、わざわざ早起きして長い片道を通いたくないからなぁ。  兄の友達。  それだけの人だ。 「はじめまして。浩二の妹の美波です」 「関侑斗」  軽い自己紹介をしたあと、私の部屋の提示などをしてもらう。  リビング以外の個室は1室なので、兄と関さんはそこをカーテンで分けて使っていたらしい。  私は兄の使っていた陣地を使うことになった。
/275ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加