第二章:リディア暗殺作戦

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「あ、暑い‥‥溶けるぅ。私溶けちゃう」 燦々と降り注ぐ太陽、どこまでも続くガリア砂漠。 昼間は暑く、夜はすごく冷える。 今リディア達はオアシスの都アクアパレスへと向かっている。 「ねぇ‥‥いつまで歩けばいいの? 」 はぁはぁと息を吐きながら少しずつ進むアランを見てリディアは少しイライラする。 「男子が何へばってんの! シャッシャッと歩く! もう少しで着くわよ! 」 ふんっと顔を背けアランよりもさっさと歩いていく。 その姿をアランは目で追いながらも自分の体力の限界が来ていることを察知する。 「もう少しってそれ三日前から言ってるよね‥‥」 カーキのコートを腰に巻き白の半袖シャツだけを着ているがそのせいか汗で濡れている。 「ぐずぐず言わないでよ‥‥あ! アラン! 見えてきたわよ! あれがオアシスの都アクアパレス! 」 遠くの方にヤシの木やバナナの木が多く植えられている場所がある。 「そりゃ‥‥よかっ‥‥た」 アランは苦しそうに言いながらも必死にリディアに対して返事をする。 「ちょっと! 私の話聞いてるの? 」 ドサッという音を聞いてリディアが後ろを振り向くとアランがうつ伏せに倒れ込んでいる。 「う、嘘でしょ? これを都まで私が運べって言うの!? 」 呆れた顔でため息をついて、アランを地面にひきづるようにして都まで運んだ。 「ん‥‥ここは‥‥? 」 アランは目を覚ました。 ベッドで仰向けの状態で眠っていたようだ。 ガリア砂漠で気を失って‥‥リディアがここまで運んでくれたんだろう。 そして辺りを見回すとそこには自分の手元を見ると手を握ったまま眠っているリディアがいた。 アランを看病してそのまま寝てしまったんだろう。 「リディア‥‥」 リディアの名前を口に出すとリディアが起き上がり、まだ眠そうに目をこする。 「アラン‥‥目が覚めた? 」 こくりと頷くとリディアが嬉しそうに微笑む。 「ごめんね‥‥迷惑かけちゃって」 少し落ち込んだ表情でリディアに頭を下げる。 「平気よ。それよりアランの方は体調どうなの? 」 首を横に振り、アランを見る。
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