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「あ! いた! 」
頭にツノ、背中には翼を生やした生物‥‥明らかに龍族だ。
先ほどリディアと戦っていたメンバーの一人だった。
急いで店の中に逃げ込むとリディアも逃すまいと必死に追いかける。
リディアが店に入るとそこには何人かの客しかいなかったがその中に先ほど追っていた龍族はいなかった。
「おかしいわね‥‥ここにいたはずなのに」
軽く舌打ちして椅子にドスッと座る。
かなりイライラしているらしい。
そんなリディアに男性店員が話しかける。
黄土色の髪、黒のタートルにカーキのコート。耳もツノも翼もないので人間だろう。
「お客さん、ご注文はお決まりですか? 」
彼が尋ねるとリディアはぶっきらぼうに注文を言う。
「ナポリタンとキノコのスープ」
お腹も減っているらしくお腹が鳴る音がした。
少し恥ずかしそうにツンっと顔を背けるリディア。
彼は少し微笑んで「すぐにお持ちしますね」と言って厨房の方へと向かった。
このご時世‥‥人間はかなり肩身が狭い。
獣人の中でも人間を嫌う者もいるし、龍族に関しては全員から嫌われ、差別されていると断言してもいいくらいだ。
だがこの繁華街はその差別もないのでリディアにとってはありがたい。
そんなこんな考えていると彼が料理を運んできてくれた。
「はい、ナポリタンとキノコのスープですね。ご注文は以上ですのでお会計の際に伝票を持ってきてください。それではごゆっくり」
彼がニコリと微笑む。
ナポリタンの匂いを嗅いで食欲が湧いてきた。
「さてと一旦休憩ね‥‥ご飯ご飯! 」
ナポリタンを一口頬張ると「美味しいー! 」とついつい言ってしまった。
よっぽどお腹が空いていたのか10分もせずに完食してしまった。
伝票を持って行きレジのところへ行くと彼がいた。
「ナポリタンとキノコのスープの二点で合計650ガロンです」
彼が笑顔でいうとリディアは一枚の札を出そうとしたその時‥‥。
「世界創造協会の者だ! 」
何人もの黒いフードをかぶりツノと翼を生やした者がいる。
マシンガンをリディアに向けている。
「あ、あいつだ! 」
そう叫んだのは先ほどリディアが追っていた龍族の一人だった。
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