第一章:死神少女

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「チッ‥‥」 軽く舌打ちをするとリディアは壁に立てかけられていた大鎌を手に取る。 するりと布を取ると、綺麗に磨かれ、刃先が光に反射して煌めく。 「や、やれ! 」 少し怯えた表情で身体を震わせる龍族たちだが、声を張り上げ攻撃を開始する。 マシンガンで一斉に攻撃を仕掛ける。 リディアは大鎌を盾にして弾丸を防ぐ。 その様子に店の客は騒ぎ出す。 店員も呆然として立ったままだ。 「ああもうー! うざったい! 」 リディアはロングコートの裏ポケットの中に入れておいたお手製の煙幕ビンを世界創造協会の龍族に向けて投げる。 床に転がり、ビンが割れるともくもくと煙が上がる。 目にしみる成分が含まれており、一定時間は目を開けられない。 リディアは急いで店外へ出て、少しの間隠れられる場所を探す。 「くそっ! やつめどこに行きやがった! 」 店内は大騒動。 客は暴れだし、世界創造協会の連中も怒鳴り出す。 そんな中、先ほどレジにいた店員が急に何かを思い出したように走り出す。 夕方ぐらいになると世界創造協会も捜索を打ち切り、彼らのアジトへ戻る。 店員は周りを見回し、ゴミ箱の隣にあるタルに話しかける。 「大丈夫、もういなくなったよ。お客さん」 するとタルからひょっこりとリディアが顔を出す。 「なんであなたがここに? さっきの店員さんよね? 」 リディアがタルから飛び出し、もう一つのタルのなかから大鎌を取り出す。 「えっと‥‥まだお会計済ませてなかったから」 少し申し訳なさそうな顔をして苦笑いする。 「あ、そういえばそうだったわね。えっと‥‥」 リディアが財布を出そうとしたその時。 世界創造協会の龍族の一人が二人が話している現場を見た。 「お前らグルだったのか! 世界保護協会め! 」 店員の方は驚いた顔をする。 仲間と間違えられたんだから当然だろう。 「逃げるわよ! 」 店員の手を引っ張り、必死に走る。背中には大鎌を背負いながら逃亡する。 店員も成り行きに任せるしかなくリディアと共に走る。 ある程度走り、街から離れた丘にたどり着き、誰も追ってこないのを確認するの二人とも安堵した。
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