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まだ10代にしか見えない若い男性から、60代くらいの白髪交じりの男性までいる。
身長も顔もお世辞にもカッコいいとは思えない人たちばかりだ。
「この人たち……全員ですか?」
「そうだ。彼女は女性に縁の遠い男性に声をかけ、貢がせていたんだ……」
野田さんの声が切なく消えて行く。
「これから彼らは彼女のマンションへ行くんですよね? それって大丈夫なんですか?」
これだけの大人数がせめて行けばあのエントランスはまんぱんになるだろう。
そんな中彼女1人が責められるということは、最悪の場合殺されてもおかしくないんじゃないか?
「さっき言っただろう? 彼女のお兄さんは彼女を守る事をやめたワケじゃないって。彼女の身の安全は守られている。彼女は自分のしたことを反省し、誠心誠意謝罪するだけだ」
「そうなんですか……」
あたしはチラリと見えた光の中の男性を思い出していた。
あの人はとてもカッコいい人だった。
「さぁ、もう帰った方がいい。悪霊たちが近づいてきた」
野田さんの言葉にあたしは「悪霊?」と、聞き返した。
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