第二話

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☆☆☆ 改造トラックのおかげで悪霊たちから逃れる事のできたあたしたちは、なんとか事務所まで戻ってきていた。 「悪霊に取りつかれたらどうなるんですか?」 いつもの椅子に座ってホッと一息ついてから、あたしは野田さんにそう聞いた。 野田さんはチャイナ服を丁寧にハンガーにかけながら「最悪の場合、死ぬよ」と、スラッと返事をした。 悪霊に取りつかれたら、最悪死ぬ。 テレビや映画などでなんとなく理解していたことだったけれど、現実世界でそう言われると背筋がゾクゾクと寒くなった。 ブルッと軽く身震いをして、さっきの黒いモヤを思い出す。 「とりついて悪さをするっていうのは、具体的にはどういったことなんですか?」 「マオリちゃんは、悪魔祓いの映画を観たことがある?」 「はい。あります」 あたしは頷く。 とても有名な映画を何本か見たことをがある。 そのどれもが悪魔に取りつかれた人と牧師さんとの壮絶な戦いの話だった。
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