第1章

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平凡な日常に突然訪れた事件に、あたしたちの周りにはいろんな憶測が飛び交っていた。 誘拐されたとか、家出したとか、妻子持ちの男性を好きになって逃げたんだとか。 結局のところ彼女が行方不明になっている原因はわからないままで、そんな噂も三日と待たずに消えていった。 あたしたちクラスメートの胸に大きな不安だけを残したあの事件を思い出す。 あれからクラスメートたちはいつなにが起こるかわからないという、見えない不安と格闘しながら生活を送ってきていた。 こんなわけのわからない《リサイクルショップ》によって平和を崩壊させられてはたまらない。 「バイト内容?」 野ださんはあたしの質問に首を傾げ、難しそうな表情を浮かべた。 「時給が想像以上に高いのは、なにか理由があるからですよね?」 そいう聞くと、野田さんはニヤリと笑いあたしとの距離を詰めて来た。 あたしは咄嗟に後ずさりをするが、床に置かれている沢山の商品によって逃げ場を失ってしまった。 「よく気が付いたね」 「誰でも気づくと思いますけど……」
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