第三話

7/51
前へ
/250ページ
次へ
☆☆☆ 死んだ人が夢に出てくるという話はよく聞く。 何か大事な事を伝えに来ていたり、夢に現れても何も言わずに去って行ったり。 あたしも、小学校の頃飼っていた猫が死んだ数日後に、その猫の夢を見た。 夢の内容はよく覚えていないけれど、胸の奥がジンワリと暖かくなったのを覚えている。 あたしは自分の机に座って勉強をしながら、そんな事を考えていた。 最近京馬はよく愛由の夢を見る。 だけどそれは愛由の事を毎日考えているからだ。 愛由が死んでしまっているだなんて、そんな事……。 あたしは勢いよく椅子から立ち上った。 幽霊に関することを考えるなら、野田さんに会うのが一番だ。 もしかしたら愛由はもう……なんて余計な事を考えるから勉強に身が入らないんだ。 あたしはそう思い、手早く着替えると《リサイクルショップ》へと向かったのだった。
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加