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「それって……」
一体どういう意味ですか?
そう聞こうとして、言葉を失った。
大きな生ゴミの袋を開けた瞬間、犬の鳴き声が聞こえて来た。
そして袋の中のソレと目が合ってしまったのだ。
「キャンッ! キャンッ!」
生ゴミに埋もれながらそんな可愛い鳴き声をして、あたしを見ていたのは……半分腐敗し、皮膚が崩れ落ちた小型犬だった。
「いっ……」
叫びたいのに喉に声が張り付いて叫べない。
逃げたいのに、体が硬直して逃げられない。
あたしは袋の中の犬と見つめあったまま、金縛りにあってしまっていた。
犬はモゾモゾと体を動かし、半分ほど生ゴミにうもっていた体を引きずり出した。
犬の腹部には生ゴミが張り付いていて、それが重力によって落ちる瞬間、犬の皮膚も一緒に落ちて行った。
白い肋骨が見えて、その隙間から大量のウジムシが出入りしているのが見えた。
それでも犬は嬉しそうに尻尾をふり、大きな目を輝かせている。
「のっ……野田さん!!」
叫んだつもりの声はかすれて、手を伸ばせば届く場所にいる野田さんにも届かない。
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