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袋の中の犬は体制を整えて、尻尾を振るのをやめた。
獲物を捕まえる時のように体制を低くして……。
「やめっ……」
あたしの声が届くことなく、犬は勢いよくあたしに飛びかかっていた。
「ひっ!」
小さな悲鳴を上げると同時に思わず犬の体をキャッチしていた。
崩れていく肉の感触にゾワゾワと毛が逆立つ。
「おぉ、そこにいたのか」
恐怖で意識を失う瞬間、野田さんのそんなのんびりした声が聞こえてきて、あたしはまた怒りを感じたのだった。
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