第三話

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とめどなく溢れる涙を止める事もできず、鼻をすする音が聞こえてくる。 隣を見ると、茜もその目に涙を浮かべていた。 「夢か現実か……目が覚めた後でもわからなくてっ……! あれは、現実だったんじゃないかって、ずっと思ってて……!」 「京馬!」 あたしは思わず京馬の震える手を握りしめていた。 夢か現実かわからない夢枕。 見まみれの愛由。 きっとそれは……現実だ。 愛由はすでにどこかで死んでいる。 助けてと伝えるということは、誰かの手によって殺されたのかもしれない。 「大丈夫だから。ね? 安心して、保健室へ行こう?」 あたしは泣きそうになるのをグッと我慢して、無理やり笑顔を作った。 頬が小刻みに震えて、今にも泣き顔になってしまいそうだ。 愛由のためにも、京馬、あなただけは元気でいて……。
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