第三話

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☆☆☆ 相変わらず今にも壊れそうなトラックに乗り込んで移動する事30分。 あたしはその間に京馬の見た夢について野田さんに説明していた。 野田さんは少し眉を下げて、「それは本物の夢枕かもしれないな」と、小さく返事をしただけだった。 やっぱり……。 あたしは野田さんの返事に肩を落とした。 「ただ、1つ気になるのは……」 「え?」 「血まみれて現れたって所だな」 そう言われ京馬が、愛由が血まみれになって表れたと言っていたことを思い出した。 その言葉から、愛由はもう死んでいると推測していたのだ。 「なにが気になるんですか?」 「好きな相手の夢枕に立つときに、わざわざ相手を驚かせるような姿で現れると思うか? できれば生前のような綺麗な姿で出てくるだろう?」 「それはそうかもしれませんけど、京馬に危機感を察してほしかったとかじゃないですか?」
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