第三話

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このキャラクターを独り占めしたいがために、愛由を殺した……!! その身勝手な行動は到底許せるものではなかった。 「どうしてあたしを殺したの」 愛由が男に詰め寄る。 男は顔を真っ青にしてその場に腰を抜かして座りこんだ。 「だって……君がいつまでも他の男の名前を呼ぶから……!!」 男は目に涙をためてそう言った。 「ぼ、僕がどれほど君の為に尽くしても、君は……きょうま、きょうまって!!」 愛由を責めるように男は叫ぶ。 愛由がここに拘束され、必死で助けを呼ぶ姿が想像できてあたしはキュッと目を閉じた。 胸の奥が破裂するほどに苦しい。 愛由はどれだけ京馬の名前を呼び、どれだけ必死でここから逃げようとしていたのか。 「大丈夫か?」 野田さんに背中をさすられ、あたしは大きく息を吸いこんだ。 そして、目を開ける。 愛由は男の首に手をかけていて、今にも力を込めそうだ。 「頼む……助けてくれ……」 男の涙が愛由の手に落ちて行く。 人を殺しておいて自分は助けてくれなんて、都合の良い言葉だ。
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