第4話

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☆☆☆ その日がテストの最終日で、放課後になるとさっそくテスト返却が行われた。 教卓に立つ先生に名前を呼ばれてドキッとする。 何度経験してもそれは馴れなくて、あたしは早足で教卓へと向かった。 先生は特になにも言わず、あたしにテスト用紙を返してきた。 今日のテスト3科目分がすべて手渡されてあたしはすぐに紙を丸めて周囲に見えないようにした。 そそくさと自分の席に戻り、こっそりテスト用紙を開く。 一番上になっていた数学の答案用紙が目に入り、ひとまずホッと胸をなで下ろす。 75点だ。 これなら赤点にはならないだろう。 続けて歴史と物理の答案用紙を確認する。 物理は68点。 歴史は70点だ。 先生が黒板にそれぞれの平均点を書いていき、あたしはようやく笑顔になった。 よかった。 どれも平均点以上ある。
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