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☆☆☆
「あ~暑い」
時々そんな愚痴をこぼしながらあたしはイチゴシロップのかかったかき氷を口に運んでいた。
自宅で簡単にできるかき氷機はほぼ新品のまま捨てられていたらしく、れいによって野田さんがそれを拾って帰ってきたのだそうだ。
経費削減だとか地球温暖化が深刻だからとか理由をつけてエアコンをつけてくれないかわりに、あたしたちは今事務所でかき氷を食べている。
「うっ……キーンときた!」
大口でかき氷を頬張った野田さんがこめかみを抑えて顔をしかめた。
「一気に食べるからですよ。かき氷で頭がキーンと痛くなるのは冷たさを痛みだと脳が勘違いするからです。だからこうやってゆっくり食べれば……」
スプーンですくって氷を口へ入れた瞬間、頭にキーンとした痛みが走ってあたしは顔をしかめた。
脳味噌を直接指で押さえつけられているような痛みは数秒の後、緩和して来る。
「はははっ! ゆっくり食べても痛くなったな」
そんなあたしを見て野田さんは愉快そうにそう言った。
「たまにはそんな時もあります」
あたしはプイッとそっぽを向いてそう言った。
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