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「何を不思議そうな顔をしてるんだ」
そう聞かれたので、あたしは思ったことをそのまま口にした。
「俺が壊れた物を捨てられるようになったのは、マオリちゃんが来てからだ」
「あたしが?」
「そう」
野田さんは頷いた。
「マオリちゃんが売れるものと売れないものを分別しているのを見て、なんとなく自分でもやってみるようにしてたんだ。そうしていたら、自然と捨てられるようになった」
野田さんの言葉にあたしは「そうなんですか」と、嬉しくなった。
どうりで事務所やお店が綺麗に片付いていると思った。
野田さんも日々成長しているらしい。
「エアコンがこんなに臭くて使えないんじゃ、あれもゴミですよ?」
あたしはそう言い、エアコンを指さした。
「そうだな」
野ださんは素直に頷く。
どうやら捨てる気ではいるようだ。
「どうして……」
『捨てないんですか?』
そう言葉を続けようとした瞬間、エアコンの方向から涼しい風邪が吹いてきてあたしは言葉を切った。
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