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「エアコン、切りましたよね?」
「あぁ」
野田さんは頷く。
「じゃぁ、なんでこんなに涼しい風が……」
そう言っている間にもどんどん事務所の中は気温が下がっていき、あたしは軽く身震いをした。
外は灼熱だというのに、これは一体どういう事?
「あのエアコンには女の幽霊がとりついていたんだ」
「女の幽霊?」
あたしは目を丸くして聞き返した。
事務所内へ向かって息を吐き出すと、その息は白いモヤとなって消えて行った。
異常な寒さだ。
これじゃまるで真冬と変わらない。
「エアコンを使う事によって女の幽霊は目覚める。だから空気は冷たくなる」
「幽霊のせいで気温が下がって行くのはわかりました。どうしてエアコンにとりついているのかが疑問のままです」
「それは俺にもわからない」
野田さんは何食わぬ顔をしてそう言った。
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