第4話

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「もしかして、あの悪臭も幽霊の仕業ですか?」 「おそらく、自分がここにいると言う事をアピールしているんだろうな」 野田さんはあたしの言葉に頷いてそう言った。 幽霊つきのエアコンなんて余計に使えない。 「捨てましょう」 「それはできない」 「どうしてですか?」 「幽霊は幽霊の見える俺と一緒にいたいようなんだ」 野田さんはそう言い、エアコンを見上げた。 あたしも同じように見てみたけれど、そこには何も見えなかった。 「あたしには何も見えません」 「あぁ。マオリちゃんには姿は見えないだろうな。そのかわり匂いと冷気で感じ取らせようとしている」 「エアコンは捨てないということは、女性を成仏させてあげるってことですか?」 あたしが聞くと野田さんは「いいや」と、首を左右に振った。 では一体どうするつもりだ。 あたしは徐々にイライラしてきた。 ハッキリと教えてほしい。 「彼女が俺に『返す』依頼をしてくれば手を出す事はできるが、そうじゃないから手を出す事もできない。幽霊を強制的に成仏させるのはとても危険な行為だ」
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