第4話

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☆☆☆ 北極のようにさむい事務所にいることもできなくなったあたしは、結局家に戻ってきていた。 エアコンに幽霊がとりつくなんて事実際に起こるんだろうか? そう思い、インターネットを使って色々な事を調べてみた。 すると、生前愛用していた道具や物などから離れることのできない魂があると書かれていて、あたしはようやく野田さんの言葉を信用することができた。 でも……なんでエアコン? あたしはパソコンを開いたまま首を傾げた。 女性の場合だと普段から使っていた鏡とかクシに魂が残る事が多いらしい。 エアコンを毎日使っていたとしても、魂が残るとは考えにくい。 だけど実際野田さんの拾って来たエアコンには魂がついている。 「あ、ゴミ捨て場に行ってみればいいんじゃん」 あたしは1人でそう呟いた。 拾ってきたのなら、拾って来た場所に戻ってみればいい。 そこからなにかを手繰り寄せる事もできるだろう。 思い立ったが吉日という事で、あたしはすぐに立ちあがった。 用事のない夏休みほど自由に動けるものはない。
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