第4話

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☆☆☆ 考えてみれば、霊感がついたと言う事はシロの姿以外にも見えるものがあるかもしれない。 と言う事だった。 夕飯を終わらせてお風呂へ入る準備をしたあたしは、そのまま脱衣所へと向かった。 リビングからはテレビの音が聞こえてくる。 あたしは廊下から両親へ一声かけて、脱衣所へと入って行った。 その瞬間、脱衣所の中が外の気温よりも随分低い事に気が付いた。 ヒヤリとして心地よい風がどこからともなく拭いてくる。 リビングのエアコンが風が流れてきているんだろうか? そう考えて、あたしは服を脱いだ。 全裸になって浴室へ入ると、洗い場でお座りをしているシロがいた。 咄嗟に声を上げそうになり、グッと喉の奥へ押し込む。 「シロ、どうしたの?」 そう聞いても、シロは少し首を傾げて黙ってあたしを見ているだけだった。 愛犬に見られながらお風呂に入るのは少し落ち着かなくて、あたしは極力シロを意識しないように湯船へとつかった。 それにしても、どうして急に幽霊を見ることができるようになったんだろう。
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