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☆☆☆
気が付けば、あたしは自分のベッドの上に寝かされていた。
頭の上にはぬれタオルが置かれていて、部屋はエアコンがかけられて涼しくなっている。
あたしは上半身を起こしたが、すぐにメマイを感じて元のように寝転がってしまった。
一体何が起こったの?
お風呂に入ったところまでは覚えている。
洗い場にはシロがいて、室温が急に下がって行って……。
そこまで思い出して、ゾクリと背筋が寒くなった。
窓の前に立っていたあの女性の姿を思い出したのだ。
湯船は壁に密着しているため、人が立っていればその足は湯船につかっているはずだった。
しかし、女性に下半身はなかった。
なにより、最初から窓の前に人がいればお風呂のドアを開けた時点で気が付くはずだった。
「幽霊……」
あたしはそう呟き、身震いをした。
タオルケットを顔の下半分が隠れるまで持ち上げて、室内の様子を観察する。
シロの姿もあの女性の姿もないようだけれど、怖くてギュッと目を閉じた。
その時だった、ドアをノックする音が聞こえてきてあたしはハッと目を開けた。
「マオリ、大丈夫?」
廊下から聞こえて来たのはお母さんの声で、あたしはホッと胸をなで下ろした。
「入るわよ」
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