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そう聞こえてきて、お母さんが部屋に入ってきた。
その手には氷枕が持たれている。
「お母さん、あたしどうしちゃったの?」
「お風呂でのぼせてたのよ。こんな真夏に1時間も出てこないから、心配したのよ?」
そう言いながらお母さんはあたしの頭の下に氷枕を置いてくれた。
「そうなんだ……」
あの女性の姿を見てからの記憶がプツリと途切れている。
「もう12時だから、今日はもうこのまま寝なさい」
お母さんはそう言って、あたしの部屋を出たのだった。
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