第4話

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「エアコンがよく聞くから、すっかり寝ちゃったよ」 「家に戻ってないんですか?」 「あぁ。アパートにはエアコンをつけてないからなぁ」 そう言い、野田さんはバキバキと体をならしながら起きあがった。 いつもクシャクシャの頭が寝癖で更に爆発している。 まるでアフロヘア―みたいな状態だ。 「で? こんな時間に何?」 冷蔵庫から1リットルの麦茶を取り出しながら野田さんが聞いてきた。 「昨日の夜、幽霊を見たんです」 「へぇ?」 野田さんは特に驚いた様子も見せず、コップに注いだ麦茶を飲みほした。 「あ、麦茶いる?」 「ください」 野田さんが用意してくれた麦茶を流し込むと、ようやく落ち着いた。 「あたしが幽霊を見ても驚かないんですか?」 「俺は毎日見ているからねぇ」
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