40人が本棚に入れています
本棚に追加
「エアコンがよく聞くから、すっかり寝ちゃったよ」
「家に戻ってないんですか?」
「あぁ。アパートにはエアコンをつけてないからなぁ」
そう言い、野田さんはバキバキと体をならしながら起きあがった。
いつもクシャクシャの頭が寝癖で更に爆発している。
まるでアフロヘア―みたいな状態だ。
「で? こんな時間に何?」
冷蔵庫から1リットルの麦茶を取り出しながら野田さんが聞いてきた。
「昨日の夜、幽霊を見たんです」
「へぇ?」
野田さんは特に驚いた様子も見せず、コップに注いだ麦茶を飲みほした。
「あ、麦茶いる?」
「ください」
野田さんが用意してくれた麦茶を流し込むと、ようやく落ち着いた。
「あたしが幽霊を見ても驚かないんですか?」
「俺は毎日見ているからねぇ」
最初のコメントを投稿しよう!