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たしかにそうだ。
野田さんにとって幽霊を見る事は日常茶飯事で、珍しくもないし驚く事でもない。
「幽霊はどうして人前に出てくるんですか?」
「それは正しい質問とは違うなぁ」
野田さんはそう言いながらインスタントのお味噌汁を作り始めた。
いつからそんなものを事務所に常備するようになったのだろうか。
「どう質問すればいいんですか?」
「まず、幽霊は人間と同じようにそこら中にいるから、『人前に出てくる』わけではない。単純に、そこにいるだけだ」
「悪さはしないってことですか?」
「悪霊じゃなければね」
野田さんはそう言い、ポットからお湯を注いてお味噌汁を作った。
いい香りがする。
「悪霊って真っ黒なモヤですよね? それなら昨日見た幽霊は悪霊ではないと思います。でも、ほっとける自信がないです」
あんな怖い顔をして見下ろされていたら、怖くてお風呂にも入れない。
「そうだなぁ……。マオリちゃんが見えた幽霊っていうのは、たぶんこのエアコンについてたヤツだと思うけどね」
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