第4話

34/84
前へ
/250ページ
次へ
あたしはそう言い、勢いよく立ちあがった。 ここのエアコンもちゃんと使えるようになったし、あたしが怖がらずに幽霊と向き合えば話を聞く事ができるのだ。 死者の声に耳を傾ける事はここのバイトを手伝う事で何度もやって来た事だ。 自信はないけれど、やってみるしかない。 「マオリちゃん、これを持っておくといい」 野田さんがそう言い、机の引き出しからブレスレットを取り出した。 「わぁ、綺麗! 水晶ですか?」 「その通り。それを付けていれば恐怖心が少しは和らぐだろう」 「ありがとうございます!」 あたしはありがたくブレスレットを受け取り、事務所を出たのだった。
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加