第4話

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何度も何度も繰り返し、狼犬を追い払うように。 シロの鳴き声に気が付いた周囲の民家の人たちが、何事かと表へ出て来て、すぐに事態を理解してくれた人が狼犬を追い払ってくれたのだ。 「大丈夫だった?」 そう声をかけてもらえた時は、緊張が解けて安心し、思わず泣いてしまったんだっけ。 あたしはそんな事を思い出して、シロを見た。 シロは生前からずっとあたしの事を守ってくれていたんだ。 だから、きっと今回も大丈夫だね。 そう思い、触れる事のできないシロの頭を撫でたのだった。
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