第4話

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「マオリちゃんは失礼な事をスラッと言う子だね」 「何を今さら」 あたしはそう返事をして笑った。 「俺、一応年上なんだけど」 「わかってます。年上のリサイクルショップの店長で彼女がいない事くらい、知ってます」 「一言多い」 ムッとした表情であたしに近づいて来て、あたしの右手を見た瞬間顔色を変えた。 「気が付きました?」 「幽霊の仕業か……」 「さすが野田さんですね。その才能だけは認めますよ」 あたしはそう言い、乾いた拍手を送った。 「幽霊は霊感が弱く意思の疎通が難しい相手には、こうしてメッセージを残していくんだ」 野田さんはあたしの右手を握りしめてそう言った。 手の甲の文字を見るためだとわかっていても、思わず顔をしかめてしまった。 野田さんの手は細すぎてゴツゴツしているから、骸骨に触れられているような気分になるんだ。 「この名前に聞き覚えは?」 そう聞かれて、あたしは左右に首をふった。 「全く知りません」 「東能って名字はこの辺ではそんなにないはずだ。探そうと思えば探す事ができる」
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