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☆☆☆
あたしはまたあのボロボロのトラックの助手席に乗っていた。
山道を通ると乗り心地は最低で、激しい揺れのせいで何度の頭をトラックの天井に打ち付けてしまった。
「もう少しまともな車を買うつもりはないですか?」
「今のとことないね。スイッチ1つで超高速スピードが出るトラック
より魅せられる車なんて、存在しない」
「それはそうかもしれないですけど、実用性には欠けすぎてますよ」
そんな会話をしている間にも、トラックは今にもバラバラに大破してしまいそうなほど揺れている。
そんな状態で山道を走る事10分。
視界は突然開け、広い墓地が現れた。
「ここか?」
「そうです」
あたしは頷く。
日当たりが良く、心地よい風が吹いている。
トラックを邪魔にならない場所に停車したあたしたちは、さっそく墓地の中を歩きだした。
「綺麗な墓地だな」
「ここはしっかりと手入れをされているんです。でも、シロを埋めたのはもっと奥です」
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