第4話

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さすがに墓地の中に埋める事はできないので、山に差し掛かった辺りに埋めたのだ。 記憶をたどりながら歩いていると、不意にシロが姿を見せた。 「シロ!」 「なんだ、やっと見えたのか」 「え?」 「あの犬はずっとマオリちゃんに付いて来てたぞ。トラックにも、一緒に乗っていた」 「そうなんですか!?」 あたしは驚いてそう聞いた。 やっぱり、あたしの霊感はまだまだみたいだ。 「あの犬は自分が埋められた場所へ案内しているようだな」 「探しているのは東能さんのお墓でしょう?」 「あぁ。でも見てみろ。さっきから墓の名前を確認しているが、東能という名前はどこにもない」 そう言われて、あたしは改めて墓石を見つめた。 確かに、東能という名字のお墓は見当たらないようだ。 ということは、今はシロについて行った方が手がかりがつかめるかもしれないということだ。
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