第4話

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「そういえば彼女は『連れて行って』とか『思い出して』なんて言葉を言っていました」 「マオリちゃんが何か忘れているってことか?」 「あたし、本当に東能なんて名字は知りませんよ」 あたしは強く首を振ってそう返事をした。 2人して首を傾げていると、シロがその場から立ち上がり、走り出した。 「シロ!?」 声をかけるとシロは一旦立ち止まり、振り向いて「ワンッ!」と、吠えた。 まるであたしたちについて来い。 と、言っているように聞こえてくる。 「俺たちは車で行こう」 「はい」 野田さんと共にあたしはトラックへと引き返したのだった。
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