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「そういえば彼女は『連れて行って』とか『思い出して』なんて言葉を言っていました」
「マオリちゃんが何か忘れているってことか?」
「あたし、本当に東能なんて名字は知りませんよ」
あたしは強く首を振ってそう返事をした。
2人して首を傾げていると、シロがその場から立ち上がり、走り出した。
「シロ!?」
声をかけるとシロは一旦立ち止まり、振り向いて「ワンッ!」と、吠えた。
まるであたしたちについて来い。
と、言っているように聞こえてくる。
「俺たちは車で行こう」
「はい」
野田さんと共にあたしはトラックへと引き返したのだった。
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