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「あの……シロと話ができるんですか? それに、今シロの頭を撫でていましたよね?」
「ん? あぁ。私みたいに毎日霊と関わっているとそのくらいの力はついてくるものなんですよ」
「そうなんですか……」
あたしは曖昧に頷いた。
自分だって全く見えなかった幽霊を見る事ができるようになったのだから、簡単に否定はできないところだった。
「ここまでシロが連れてきてくれたんです」
そう言うと、お坊さんは何かを察したように立ち上がった。
「そのことも、シロから大まかな事情は聞いています。探しているんでしょう? 東能リナさんについて」
その言葉にあたしの心臓はドクンッと跳ねる。
なんでもお見通しだと言われている気分になった。
「そうです。彼女についてわかることを何でもいいから教えてください」
野田さんがそう言うと、お坊さんは困ったように頭をかいた。
「実はシロに言われてから東能リナさんについて少し調べたのですが、特に何もわかった事はないんですよ」
そう言いながら、胸元から白い紙を一枚取り出した。
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