第4話

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「お二人とも、東能リナさんのお墓には行かれたんでしょう?」 「はい」 「あの辺の墓はすべてこの寺で管理をしています。しかし、いつ誰がどういった経緯で東能リサさんの墓を建てたのか、全く残っていないんです」 「残っていない……?」 あたしは眉を寄せてそう聞き返した。 「そうです。あの場所は本来ただの山で墓を作る場所ではありません。ただ、すぐそばにうちの管理している墓があると言う事で、気にはかけていたんですが……」 そう言い、お坊さんはあたしに紙を手渡してきた。 それにはどこかの住所が書かれている。 県内だけど聞いたことのない地名だ。 「いろいろ調べた結果、それだけがわかったんです」 「この住所はなんですか?」 「東能リナさんが最後まで暮らしていた家の住所です」 そう言われ、あたしと野田さんは顔を見合わせた。 「これくらいしか私にできることはないですが、なにか困った時はまたおいでください」 お坊さんはそう言うと、シロの頭を軽く撫でて奥へと消えて行ったのだった。
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